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ビジネス交流会 第11回

講演会『しまむらの経営』 ~徹底した合理主義と自前主義~

講師 野中 正人氏 (昭和59年法学部卒) 株式会社しまむら  代表取締役社長

南甲倶楽部 理事

株式会社しまむら:設立 1953年 事業内容 総合衣料品販売

第11回のビジネス交流会は、参加者の期待も大変高く80名を超える過去最多の参加者の中、宿谷勝巳ビジネス交流副委員長の司会進行のもと、遠藤一義ビジネス交流委員長の開会の挨拶でスタートした。

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野中正人氏の基調講演

サラリーマンとして入社してから20年間、様々な部門を経験され、44歳にして社長に就任し10年間となる。売り上げは5018億円、営業利益も418億円、店舗数は1931店舗、社員数は16000名を超える規模である。しまむらの運営する業態は、ファッションセンターしまむらを中心に、若手シングル向けの男女カジュアル衣料のアイベルやべビー・キッズ用品のバースデイや上海、台湾と海外への進出も行っている。これから海外展開は課題の一つとのこと。しまむらの経営は、創業者が呉服店からスタートしているが小売業として、何をやり、何をやらないのかをしっかりと決め、経営を進めていった。講演の中で、しまむらの経営について、次の3点を中心にお話を頂いた。1.経営について 2.事業への取り組み 3.組織の運営

1.経営については、(1)衣料品の小売業を選択 (GMSで一番利益を稼いでいたのが衣料品)(2)チェーンストアの経営 (チェーン店は少ない資金で拡大可能で合理的な運営ができる)3)ソフトグッズの取り扱いに絞る (広げすぎず、得意分野で集中する)事業範囲を明確にしてすべての資源を集中すること。

2.事業への取り組みは、(1)安く売れればお客様が集まる (安く仕入れ、運営コストをかけない)(2)小売業は変化対応業で、品揃えのテーマは、量―>安く―>いいもの―>流行のもの―>トレンド―>ブランドへと変遷してきている。理屈に合わないことはせず、最も成果の望めることを第一と考えて行動する。

3.組織の運営については、まず、社員を大事にすれば、社員はお客様を大事にするので、お客様も集まり、業績が上がる。また、お取引先を大事にすれば、いい商品が入り、お客様が集まり、業績が上がり、株主に還元できるので、大事にする順番も明確にしている。経営理念で基本方針を明確にしており、人間尊重が社員の力となり、組織を強くしているということが、ひしひしと伝わってきた。

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第二部の懇親会は、上層階のパーティー会場に場所を移して行われた。野中社長を囲み、大変穏やかな雰囲気のもと、交流も進み第11回目のビジネス交流会は大盛況のうちに終了した。